はまった

突然ですが、ハマリました。

ヨーロッパ企画

一番最初に知ったのは確か2005年。

なぜか忘れたけど、「サマータイムマシーンブルース」という映画に興味を持ち、
観にいったら本当に面白かった。
三谷幸喜さんみたいな台本だな」と思い、誰が作ったんだろう?
と調べたらヨーロッパ企画だった。

ちょうどそのころラーメンズとナックスにはまり、舞台に興味を持ち始めていただけあって、
「この劇団おもしろそう」と思った。
でも思っただけで、当時お金がなかったり、そのうち就活が始まったりなんだりで、ちょっと気に留める程度の存在だった。ナックスのメンバーがたまにヨーロッパ企画の話をしたりしてたし。

だから映画と同時進行でやってた舞台版「サマータイムマシーンブルース2005」もその後の公演も一度も見ることがなかった。

でも今年、何気にイープラスとか見てたら、ヨーロッパ企画が下北でお芝居やるとのこと。
「おお!!」と思った。
「冬のユリゲラー」という題名はなんだかどっかで聞いたことがあった。
サマータイムマシーンブルース」があれだけおもしろかったんだから、多分ハズレはしないだろう。
久しぶりに下北で買い物したいし。

そんなわけで5月5日。
親友と一緒に観にいった。
「冬のユリゲラー」。

初ヨロきか。スズナリも初めてで、その概観からちっちゃいハコだと思っていたけど、思った以上にちっちゃくて、大学の小ホールのほうが大きいよ!!と思いながら席へ。

芝居が始まる前にいろんな物販やSSMF(ショートショートムービーフェスティバル)等の予告映像が流れる。

そして始まる本編。

クリスマスの日。怪しげなカフェに集まった超能力者たちの能力お披露目パーティー
そこに偶然居合わせただたのびっくり人間。
さらにびっくり人間と待ち合わせしていたテレビ局のAD。
この人たちが織り成すドタバタコメディー。

それがめちゃくちゃおもしろかった。
舞台であれだけ笑ったのは久しぶりだ。
ラーメンズ以来だ。

特にびっくり人間が登場してから前半いっぱい散りばめられた伏線をひとつずつ笑いを取りながら解き明かす流れはものすごい秀逸。最後の最後まで徹底的に小ネタも混ぜ合わせて笑わせる。
しかも最後はちょっといい話。
とにかくすばらしかった。

観終わってから親友としばらく無言だった。

「・・・・笑いすぎて疲れたね」
「・・・・うん、すごかったね」

この種の充足感と脱力感と疲労感を味わうのはいつ以来だろうか?と考えてみた。
確か去年、KKPの「TAKE OFF」観にいった後もこんな感じだったなぁ。
その後舞台観た勢いで本多劇場の前にあるショップで買い物した。
これも去年と一緒だと思った。

それからカフェで親友といろいろしゃべって思い出し笑いをしたりしたのだけれど、その次の日も次の日も「冬のユリゲラー」を引きずっていた。

そして5月10日は「苦悩のピラミッダー」を観にいった。
正直こちらは「冬のユリゲラー」ほど笑いはないお芝居で、「冬のユリゲラー」並みの笑いを期待してしまった私としてはちょっと消化不良を起こしてしまったのだけれど、でも普通に先入観を持たずに観たらなかなか面白い芝居だったんじゃないかと思う。

この公演でますますヨロきかを好きになり、でもいきなり物販で何か買うのはちょっと恥ずかしかったので、帰りに新宿によって舞台版「サマータイムマシーンブルース」のDVDを買って帰った。

そして5月12日。
また下北に来てしまった。
目的はひとつ。「もう一度『冬のユリゲラー』を見る」
それだけだった。
そして観た。
やっぱりめちゃくちゃおもしろい。
一回観たからお芝居の展開は全部わかってるのに、笑える。
むしろおかしさが増す。
一回目よりもっと細かいところを観るようになって、さらにおもしろかった。

舞台版「サマータイムマシーンブルース」で本広監督が「何度見てもおもしろい」といっていたが、そのとおりだった。

でも実際HPをのぞくとチケットさばくのに苦労しているみたいだった。
こんなにおもしろいのに。
スズナリを満杯にできないなんて。
なんてもったいないんだろう。

透視で裸を見ようとしたエロエスパー筧。
サイコキネシスで気に入らない工場長を飛ばす川岡。
ひたすら空回りする気のいいマスター。
一番すごい能力を持ちながら、結局なんの役にも立たなかった小山。
人の心を読む後輩の菊池。
能力使うときの顔がやばいよ井出。
そしてただのびっくり人間神田とドジなAD桜井。

サマータイムマシーンブルースでもそうだったけれど、上田さんの作品に出てくる登場人物たちはすごい道具や能力を手に入れても、「所詮人間ってこんなもんだよね」っていう発想のショボさを持ち合わせていて、だからこそおかしいし、面白いのだと思う。

今回登場人物の半分が客演ということで、本来のヨロきかとは一味違った感じだったのかもしれないが、そんなことは関係なく、この作品に、ヨーロッパ企画という演劇集団にはまりました。

そしてこの公演でエロエスパー筧役で出演している中川さん。
えー・・・ストライクでした。
あの衣装といい、髪型といい、役柄といい、ど真ん中。
終演後物販のところにいた中川さんを見て、思わず「カッコいい!!」と言いそうになり、そそくさとその場を立ち去りました。危なかった。

このあと5月15日「冬のユリゲラー」千秋楽も当日券目当てで仕事終わった後スズナリに行ったのだけれど、当日券も補欠券もすでに配り終わっていて見られませんでした。
ちょっと残念だったけど、でもそれくらい人が集まってたという事実が嬉しかった。

あれだけおもしろい舞台だもん。そりゃいっぱいになるわ。
良かった良かった。

そんなわけで突然ハマッたヨーロッパ企画
おかげで四回も下北行ったよ。

来月の「衛星都市へのサウタージ」を心待ちにしている日々であります。